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2012年11月19日 (月)

「ぼたん」がいた街

先日、かねてから訪問したいと思っていた「龍野」に行ってきました。

兵庫県たつの市は、平成17年(2005)に旧・龍野市と、
周辺の揖保郡新宮町・揖保川町・御津町などが合併し誕生した新しい市。

旧・龍野市の中心部の龍野町には武家屋敷や白壁の土蔵が今も残っており、
龍野藩5万3千石の城下町の面影が色濃く、「播州の小京都」と呼ばれています。

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【龍野の街並み】

この街に一度は行ってみたいと思うようになったきっかけは、映画「男はつらいよ」の影響。

「男はつらいよ」シリーズは、かつてこのブログでも書いた通り
若かりしころから、劇場やレンタルビデをで公開全作を観てきましたが、
昨年の1月6日、講談社より「寅さんDVDマガジン」なるものが発売されるのを聞き及んで、
これを機に手元に置いておきたくなり、定期購入を決意しました。

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【龍野城】

決意とは大げさな!と思われるかもしれませんが、配本は全50回。
現在までに、隔週刊で49回がすでに発売済みで、残すところあと1回となっています。(※1)

まず、初回が790円(お決まりの手口^^;)。

残る49回は1,590円で、全巻を揃えると78,700円の出費となる勘定。
欲しいレンズが一本買えるお値段となっております。

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【龍野の街並み①】

で、買い続けてどうだったかというと、出費に見合った楽しみを得たという点で大いに満足しています。

ここ2年近くの間、隔週で手元に届くDVDを待ち遠しく思うくらいに、
50歳を目前に観た「寅さん」は、若いころとはまた違った感慨を与えてくれました。

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【龍野の街並み②】

前置きが長くなりましたが、この龍野界隈は、私の一番のお気に入りの回、
第17作「寅次郎 夕焼け小焼け」の舞台となった街です。

街の中心部を流れる揖保川に架かる龍野大橋、龍野城、醤油蔵の路地、
煉瓦造りの煙突、寅さんがタクシーから見た武家屋敷など、
映画のシーンそのままに、昔と変わらない落ち着いた佇まいが残っていました。

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【武家屋敷資料館】

龍野の街で出会い、寅さんが恋をするお相手のマドンナ役は太地喜和子。

本当に華のある女優さんで、明るくキップのいいい芸者「ぼたん」役がはまっていました。

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【武家屋敷資料館 内部】

芸者の「ぼたん」が、一転、洋装の普段着姿となって、
土塀に挟まれた狭い路地を小走りに走ってくるシーンなどは、まことに映画的で美しい!

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【龍野の街並み③】

渥美清にも負けない、圧倒的な太地喜和子の存在感。
ゲストで脇を固める宇野重吉、桜井センリ、佐野浅夫の軽妙な演技。
龍野の街並みの美しさ、起伏に富んだストーリー。

この作品は映画としての完成度も高く、「寅さん」ファンならずとも十分楽しめる秀作です。
「寅さん」を見たことがない若い方にも、ぜひともお勧めしたいと思います。

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【醤油工場の煉瓦煙突】

映画にもたびたび映りますが、龍野の街の美しさを構成する重要な要素となっているのが白壁の醤油蔵。
龍野は醤油の街としても有名で、関西の台所に欠かせない「うすくち醤油」はこの地で生まれました。

その歴史は江戸時代初期、寛文6年(1666)まで遡ります。

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【揖保川】

円尾孫右衛門という方が、大豆を発酵させた「醤油もろみ」に米を糖化した甘酒を混ぜる製法を発案。
当地を治めた龍野藩脇坂家の保護のもとに発展しました。

当地が醤油造りで栄えた一番の理由は、揖保川の水にありました。

透明感のある「うすくち」を作るには、きわめて鉄分が少ない揖保川の水がぴったりだったのです。

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【うすくち龍野醤油資料館】

また、それ以外の材料である大豆・小麦・塩の三つの原料が手に入れやすかったということがあります。
播州平野の小麦、山間部の新宮町・山崎町の大豆、そして沿岸部の赤穂の塩です。

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【うすくち龍野醤油資料館 内部】

「ほのかなる 人のなさけに 似るものか 龍野醤油の うす口の味」

放蕩の歌人・吉井勇が 歌に詠んだ龍野の醤油造りは、
伝統を守りながらも、販路拡大を積極的に推し進めた地元企業の努力により、
全国屈指の地場産業となりました。

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【ヒガシマル醤油ポスター】

その代表的な企業がヒガシマル醤油株式会社。

明治2年(1869)、淺井氏は揖保川東岸の旧・龍野藩の直営物産蔵(東蔵)を落札、
淺井醤油合名会社として商標「ヒガシマル」を醸造しはじめました。

昭和17年(1942)、天正年間創業の菊一醤油合資会社と合併し龍野醤油株式会社となり、
昭和39年(1964)ヒガシマル醤油株式会社と改称、現在は業界第3位の醤油会社となっています。

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【兵庫県手延素麺協同組合】

最後にもう一つ、龍野の地場産品をご紹介。
手延べ素麺の「揖保乃糸」も、龍野に在る兵庫県手延素麺協同組合のブランドです。

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【手延べ素麺「揖保乃糸」】

この日は、龍野公園内にある食事処「さくら路」で「揖保乃糸」を頂きました。
素麺にアユの甘露煮、桜の花の香りがついた炊き込みご飯のセットで1,000円也。
本場で味わう素麺は、腰があって舌触りもよく、サイコーのお味でした。

(※1 劇場公開は48作。あとの2作はTV版の編集と人気の高い「ハイビスカスの花」編の特別編集版。)

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