世のちり洗う四万温泉
先週の19日(水)~20日(木)に、久しぶりに温泉に出かけました。
訪れたのは、群馬県の北西部、吾妻郡中之条町にある四万(しま)温泉郷。
草津・伊香保と並んで上州三名湯と称される温泉地で、
群馬県の誉れを集めた「上毛かるた」にも、「世のちり洗う四万温泉」と詠まれています。
群馬・新潟県境、三国山脈に源を発する四万川の両岸3kmの間に、
5つの地区、温泉口・山口・あらゆ・ゆずりは・日向見に分かれて広がる四万の街並みには、
歓楽的な雰囲気は一切無く、湯治場の風情を色濃く残す温泉郷として高い支持を得ています。
平成17年(2005)には、NHKで放映された朝の連ドラ「ファイト」(主演:本仮屋ユイカ)の舞台となり、
全国的にもその名が知れれるようになりました。
開湯の伝説は古く1,000年以上前にまで遡ります。
時は延暦年間(782~806)。
大江山の鬼退治で有名な源頼光の家臣で、
渡辺綱・坂田金時・卜部季武と共に四天王として名を馳せた日向守・碓氷貞光が、
越後から上野国に向う途中でこの四万の地を訪れました。
山の佇まいや谷川の響きに心を澄まし、貞光が一心に読経していると、
夢うつつとなった夜半の頃に童子が現れ、神託を授けました。
「汝が読経の誠心に感じて四万(よんまん)の病悩を治する霊泉を授ける。我はこの山の神霊なり」
目が覚めてみると、神託通りにお湯が湧き出していました。
そのお湯が四万最奥にある「御夢想之湯」と伝えられており、
今もこんこんと湧き続けています。
四万の源泉は全部で43ヶ所。
湧出形態は、3ヶ所が堀削源泉で、その他40ヶ所はすべて自然湧出となっており、
全体の湧出量も毎分約3,500ℓあり、強い温泉力を誇っています。
泉質は重炭酸土類泉と呼ばれるもので、平均pHは7.7。
最近の調査では、60年以上もの時をかけて地表にわき出ていることが分かっています。
長い年月をかけて湧き出たお湯には、カルシウム・ナトリウム・マグネシウムなどの土類イオンが豊富に含まれ、
効用としては、鎮静作用や炎症を抑える働きがあるそうです。
また、たっぷりミネラルを含んだお湯には、フルーツ酸の含有も認められています。
フルーツ酸は、老廃物を取り除き、肌に透明感を与えると言われている成分で、
美容業界で最も注目されている成分の1つだそうです。
環境省は、温泉利用の効果が充分期待され、かつ健全な温泉地としての条件を備えている温泉地を、
温泉法14条に基づいて、国民保養温泉地(全国89ヶ所)と定めていますが、
ここ四万温泉は、昭和29年(1954)に酸ヶ湯温泉(青森県)、日光湯元温泉(栃木県)とともに、
当時の管轄官庁であった厚生省から国民保養温泉地第1号の指定を受けています。
国民保養温泉地に指定される条件は、以下のとおり。
・温泉の効能が顕著であること
・湧出量が豊富であること
・利用上適当な温度を有すること
・環境衛生的条件が良好であること
・付近一帯の景観が優れていること
・適切な医療施設及び休養施設を有するか将来施設し得ること
・医学的立場から適正な温泉利用、健康管理について指導を行う顧問医が設置されていること
・交通が比較的便利であるか又は便利になる可能性のあること
・災害に対し安全であること
これらをクリアしなければ、指定を受ける事が出来ず、
環境省の指定温泉一覧を見ると、
全国的な知名度があっても、観光温泉は入っていないようです。
また、健康と温泉フォーラム(NPO法人)が「温泉療法医がすすめる温泉」として選定した温泉一覧、
「名湯百選」にも選ばれており、四万のお湯の効能は各界でお墨付きを受けています。
去年の9月に群馬県に赴任して以来、北関東の温泉地としては、
草津、伊香保、磯部、鬼怒川に続いて、今回の四万温泉で5ヶ所を巡りました。
私の個人的な感想としては、
温泉街としての充実度や楽しさは草津温泉が一番でしたが、
事、「お湯」という点ではこの四万温泉が一番気に入りました。
熱いお湯が好みの私にはぴったりの温泉。
源泉の温度は平均して50~60℃程度、高いところでは90℃にもなるそうです。
今回、お世話になったお宿は、ゆずりは地区の中ほどにある旅館「やまの」さん。
清流・四万川に面した全5室のこじんまりした湯治宿です。
明るくはきはきとお話される若女将さんの気持ちの良い接客と、
手作り感あふれるお料理には、家人ともども大満足。
また、ご主人は元・写真屋さんだったようで、
館内には四万付近の動植物や風景を写した美しい作品や、
歴史を感じる写真機材が飾れており、写真好きの私にはぴったりのお宿でした。
宿のお湯の他にも、四万温泉郷には寸志で入浴可能な共同浴場があります。
四万発祥のお湯である日向見地区の御夢想の湯、あらゆ地区の河原の湯、山口地区の上の湯、
そして、今回は入れませんでしたが、四万川の河原にある山口露天風呂の4施設で、
小規模ですが、それぞれ特徴のある共同浴場を巡るのも楽しみの一つだと思います。
周囲にはこれといった見所もなく、有るのはただ山と川、そしてお湯だけ。
しかし、それ以外のものは何もいらないと思わせる温泉郷でありました。
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コメント
こんばんは、のらです
今年一年、ブログ楽しく読ませていただきました
いつも旅行した気分で大満足してます
今頃はご家族のところでのんびり年越しそば食べられている頃でしょうか?
来年もよろしくお願いいたします
投稿: のら | 2008年12月31日 (水) 18時31分
のらさん
ご丁寧なご挨拶頂戴しておきながら、
レス遅くなり恐縮です。
年末年始、バタバタでPCから離れてました。
6日~9日まで帰阪して、今日からまた仕事です。
相変わらずの気まぐれ更新になると思いますが、
今年も宜しくお願いします。
投稿: yufuki | 2009年1月10日 (土) 17時06分
はじめまして。偶然ここにたどり着きました。群馬の人間です。自分の故郷がこんなに美しく紹介されていて感銘を受けたので、コメントさせていただきました。ありがとうございました。
投稿: ∴ん窯の五郎 | 2009年6月11日 (木) 20時32分
∴ん窯の五郎さん
ありがとうございます。
地元の方からの嬉しいコメント、
感激しております。
群馬には一年半ほどの赴任でしたが、
色々といい思い出がいっぱい出来ました。
見所いっぱいの群馬。
今度また、旅行者として訪れたいと思います。
投稿: yufuki | 2009年6月13日 (土) 15時28分