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2008年7月17日 (木)

昆虫たちの森

いささか古いお話になりますが、今月の4日に群馬県立「ぐんま昆虫の森」に行ってきました。

「ぐんま昆虫の森」は赤城山の南東、桐生市新里町に平成17年(2005)8月1日に全面オープンした教育普及施設。

設置の目的は、「広く県民が自然に親しみ、昆虫の生きた姿に直接ふれ、生きものの相互依存に学び、
生命の大切さや自然への理解と共感する心を育てること」だそう。

約48haに及ぶ広大な敷地に、雑木林、畑、沼、水田(非公開)の各ゾーンが整備され、
かつては日本の各地にあった里山の姿を再現しています。

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【ぐんま昆虫の森「昆虫観察館」】

この日の到着はam10:00頃。

お天気もよく、鼻歌交じりで広大な里山地域に歩き出しましたが、
東京ドーム14個分に及ぶ敷地は、想像以上の広さで、
お天道様が頭の上に来る頃にはもう熱中症寸前、バテバテでした。

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【「昆虫観察館」別館資料室】

おまけに、園内の樹液が出そうな広葉樹には全て「スズメバチに注意!!」の張り紙。

実際に、でっかいスズメちゃんと何度か遭遇した後に、
「ブーーーン」という大ボリュームの羽音が耳元に迫ってきたときには、本当にビビリました。

結局、何の羽音かは確認できませんでしたが、恐ろしさで心が折れてしまいました。

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【ツバメシジミ】

ということで、屋外の観察は早々に断念し、
次に、この昆虫の森のシンボル的な施設である「昆虫観察館」に向かいました。

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【ショウジョウトンボ】

巨匠・安藤忠雄氏の設計によるこの施設は、
ガラス張りのドームと曲面を多用したコンクリートの造形が印象的な、美しい建物。

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【ホソミイトトンボ】

館内には「多様な環境・たくさんのいのち」をテーマにした360度の映像が投影さるビジュアル施設や、
「里山の昆虫たち」という展示コーナー、西表島の環境を再現したという「生態温室」等があります。

「里山の昆虫たち」では、里山に生息する昆虫はもちろん、
カエルやイモリ等の両生類、蛇や蜥蜴等の爬虫類までを生体や標本で見ることができます。

そして、ガラス張りのドームの部分が、沖縄・西表島の環境をそのまま再現したという「生態温室」で、
ここには、40種類800匹の蝶をはじめとした様々な昆虫が、亜熱帯の植物の中で放し飼いにされています。

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【スジグロカバマダラ 】

実は、この日ここにやって来た最大の目的は、日本最大の蝶オオゴマダラの撮影でした。
しかし、午前中の太陽の下の暑さと温室の高温多湿に参ってしまって、撮影意欲と集中力が急降下。

眼に入る汗を拭いながら撮った蝶は、ピンボケ・手ぶれのオンパレード。

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【アオタテハモドキ】

文字通り温室育ちで、人間に対して警戒心の薄い蝶の撮影なので、
自然の蝶に比べてシャッターチャンスが多数あったのも係らず、
翅を美しく開いた写真は一枚も撮れませんでした。

近いうちに、もう一度リベンジしたいと思っています。

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【リュウキュウアサギマダラ】

私自身は準備不足・体力不足で施設を活用しきれず、写真も上手く行きませんでしたが、
「ぐんま昆虫の森」自体は、大人から子供まで楽しめる真面目な良い施設だという印象でした。

スズメちゃんが多いのは恐ろしかったですが、ある意味自然のままという点では好感が持てました。

しかし、実態はかなり厳しいようで、「不必要な文化施設」「税金の無駄遣い」と言う評価が一般的。

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【オオゴマダラ】

入場料は大人400円、大学・高校生は200円、中学生以下は無料で、
施設の充実度からすれば安いのではないかと思いますが、
入場者数は当初計画の目標数1,000人/日を大きく割り込み、年間約3億円の赤字予測だそう。

総事業費約80億円のうち、約44億円をつぎ込んだ「昆虫観察館」ではありますが、
この日・この時間帯には、入場者は私以外には見当たりませんでした。

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【ぐんま昆虫の森内に移設された赤城型養蚕農家①】

県の見解は「学習の場と考え、採算は度外視している」そうですが、
このままでは確かに税金の無駄遣い。

これだけ立派な施設で、内容的には素晴らしいものがありながら、
入場者数の目標を達成できないのは、明らかに当初計画に問題があります。

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【ぐんま昆虫の森内に移設された赤城型養蚕農家②】

もっと民間的な感覚でやれば、初期の建設コストも抑えられ、
その分を販促・PRにつぎ込めたのでしょうが、今となってはどうしようもありません。

ましてや、県がはなから採算度外視じゃあ、誰も営業努力はしませんネ。

お役所仕事って、どうして万事がこうなってしまうのでしょうか。

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コメント

私は暇人ですから平日に行くことにしていますが
どの国県市町村の公共施設もがらがらの状態ですよ。
膨大な設備投資をして運営は大幅な赤字で
閉鎖することも出来なくて大変でしょうね。

投稿: sansenkiso | 2008年7月17日 (木) 06時32分

sansenkisoさん
いつも有難うございます。
国や自治体には私企業では出来ない、良い施設や事業が沢山ありますね。
しかし、あまりにもお金は使うだけ、回収計画は杜撰というものが多すぎます。
もう少し、大切な税金を預かっているという意識があればと思います。

投稿: yufuki | 2008年7月25日 (金) 01時22分

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