日本最古の駅弁屋
(前回よりつづく)
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「碓氷峠鉄道文化むら」は、信越線の横川~軽井沢の廃線区間跡に作られた施設。
隣接地には区間廃線の後、始発着駅となった横川駅があります。
この横川駅の名を全国に知らしめたのが駅弁「峠の釜めし」で、
製造・販売元「おぎのや」の本店が、改札口を出て直ぐのところにあります。
駅前通りを挟み、本店の向かい側には、私設の資料館があり、
「おぎのや」や横川駅周辺の歴史が紹介されており、無料で見学することが出来ます。
「おぎのや」の創業は明治18年(1885)で、横川駅と同時期の開業。
以来、120年以上も当地で駅弁を販売し続けている老舗で、
現存する全国の駅弁製造会社のなかでも、最も古い歴史を誇っています。
大ヒット商品、「峠の釜めし」の販売開始は昭和33年(1958)。
当時、アプト式はすでに廃止となっていましたが、
信越線横川~軽井沢は日本有数の鉄道の難所でありました。
急峻な碓氷峠を越えるためには、全ての列車が群馬側の横川駅に必ず停車し、
電気機関車(“峠のシェルパ”EF63形)を補助機関車として連結しなければなりませんでした。
平坦地では100㎞/h以上で走る特急列車が、横川~軽井沢間は機関車2両連結で20㎞/h程度の速度となり、
わずか10数㎞の区間を20分以上もかけて走行していました。
停車時間としては、下り列車(横川→軽井沢)で機関車連結作業のために7~8分、
上り列車(軽井沢→横川)で切り離し作業のために5分程度を要しました。
この停車時間の長さは駅弁販売には適していましたが、
業績は必ずしも好調ではありませんでした。
「おぎのや」が大きく発展するのは、
四代目高見澤みねじ氏が「峠の釜めし」を発売した昭和33年(1958)以降のこと。
商才に長けたみねじ氏は、巧みな広告・PR戦略を繰り広げ、
有名百貨店の駅弁大会などにも積極的に出品をしました。
昭和42年(1967)には、みねじ氏自らをモデルにしたテレビドラマ「釜めし夫婦」(フジ)が放映され、
全国的な知名度を獲得するに至ります。
また、昭和37年(1962)には、世のモータリゼーション化を見越して、
いち早く国道18号脇に工場兼ドライブインを建設。
その後、上信越自動車道開通により車の流れは横川をスルーすることになりますが、
高速のサービスエリアや軽井沢各所への出店することにより難局を乗り切っています。
平成9年(1997)の長野新幹線の開業に伴い、信越線横川駅~軽井沢駅間が廃線となっても、
横川駅での販売額は全体の3割程度となっていたため、経営への影響は最小限にとどまりました。
現在は、長野新幹線の高崎・軽井沢間でも釜めし車内販売が行なわれています。
この日のお昼は、「おぎのや」の本店で「峠の釜めし」を初めていただきました。
正直、\900の釜めしの味に大した期待はしていませんでしたが、食べてビックリ。
なんとまぁ、美味しいこと!
「おぎのや」さん、評判をこれまで疑っていたこと、お詫び申し上げます。
お昼を済ませた後は、碓氷第三橋梁(めがね橋)や碓氷湖(桜は蕾のみ!!)を回り、
午後4時ごろに家人のお目当てである磯部温泉街に到着しました。
いつもの事ながら、私の趣味に引っ張りまわされた家人は爆発寸前でしたが、
ギリギリ、何とか事なきを得ました。
磯部温泉は歴史ある温泉郷ですが、その規模は草津温泉や伊香保温泉と比べると格段に小さく、
町の中心を流れる碓氷川の両岸に、現在11件の温泉旅館が営業しています。
当日の宿の若女将(別嬪さん!)に、「この内陸部の地名が、何故に磯部?」と尋ねたところ、
大昔、このあたりは海底で、今も断層から貝の化石が多数発見されるそうで、
磯部という地名もそのあたりに由来するらしいと教えていただきました。
そのためかどうか、磯部温泉は塩分が大変強く、
鎌倉時代に成立した歴史書「吾妻鏡」の中には、
「磯部村此所に塩の湧き出る所あり」とう記述があります。
この記述から、鎌倉時代にはすでに温泉が湧出していたものと推測されています。
その後、天明3年(1783)の浅間山の大噴火により湧出量が急増。
江戸時代後期には本格的に湯治場となり、
明治時代になるとpH8.0のアルカリ性鉱泉は、
ベルツ博士をはじめ、多くの医学博士に効能を評価されました。
信越線が碓氷峠を越えて開通し、軽井沢にその地位を取って代られるまでは、
日本を代表する避暑地であり、多くの外国人別荘地が立ち並ぶリゾートの草分け的存在でありました。
以前は泉温が24℃と低く、「磯部鉱泉」と呼ばれていた時期もありましたが、
平成8年(1996)には、新源泉(52℃)が掘削により湧出。
現在は、主としてこの源泉が各旅館で利用されています。
全国的にはあまり知られていない磯部温泉ですが、
この地が発祥とされているもので、日本人の誰もが知っているものがあります。
それは、温泉マーク。
万治4年(1661)、この地で起こった草刈場の入会権に絡む農民同士の争いに決着を付けるため、
江戸幕府は「上野国碓氷郡上磯部村と中野谷村就野論裁断之覚」という評決文を出しました。
その中の地図には、温泉マークが二箇所はっきりと記されており、
2008年現在、これより古い資料が見つかっていないことから、
磯部温泉が温泉記号発祥の地とされています。
温泉街にある赤城神社の境内には、「日本最古の温泉記号の碑」がありました。
この日のお宿は、客室数11のこじんまりした旅館。
先述の若女将をはじめ、女将(またまた別嬪さん!)や従業員の皆様には、
とても明るく感じのよい対応をしていただきました。
また、お部屋や建物も隅々まで清掃が行き届いており、もちろんお風呂も綺麗!
随所に気遣いが感じられるお宿でした。
宿泊日は4月2日でしたが、「エイプリルフール特別企画・嘘のようなホントの価格」で御世話になりました。
食事も美味しく、お安い料金で申し訳ないくらい。
とても気持ちのよい休日を過ごさせていただきました。
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コメント
yufuki さん、お久しぶりです。いつもの如く、綺麗な写真と、味な歴史考証。楽しませていただきました。
今回は足湯のシーンで、佳人の綺麗なおみ足も見せていただき、いささか喜んでおります。
投稿 fou | 2008年4月11日 (金) 21時04分
こちらへのコメントは久し振りで失礼しておりますm(_ _)m
妙義山の桜は残念でしたね。
きっと今頃が綺麗な時期かな?
綺麗といえば足湯の女性 !!
スラリとした御身足に幻惑されそうです(^ ^;
奥様ですよね!?
宿の女将さんにメロメロだったようですが、目の前の御かみに抓られませんでしたか?(笑)
投稿 tsuduura | 2008年4月11日 (金) 21時10分
yufukiさんこんばんは~♪
今夜この釜飯を食ししましたよ
長野インターと諏訪南インターの近くに1軒ずつあります。
年に数回食べたくなり仕入れに行きます。
本当は桜の花の下で食べたかったのですが…
自宅で食べました。
投稿 通りすがり | 2008年4月11日 (金) 21時44分
私もまだ長野新幹線ができる前に二度通り、二度ともこの釜めしを食べました♪
昭和33年というと、なんと!私の生まれた年です(恥)
だからか?なんとなくこの「釜めし夫婦」というドラマに覚えがあるのです。
当時は「パンとあこがれ(新宿中村屋の創業の話)」とかこれとか
戦後の動乱期を乗り越えてお金持ちになった人たちの苦労話?がけっこうドラマになったものです。
我ながら・・・・よく覚えてたなーって感じですが(笑)
ちなみに「細腕繁盛記」も全部覚えてますよ!
投稿 きょんち | 2008年4月11日 (金) 22時54分
fouさん
何時も有難うございます。
脚を褒めていた嫁さんも、「まだ、捨てたものじゃない」と調子に乗っております。
投稿 yufuki | 2008年4月12日 (土) 23時53分
tsuduuraさん
有難うございます。
>妙義山の桜は残念でしたね。
>きっと今頃が綺麗な時期かな?
見頃は、来週あたりになりそうです。
>スラリとした御身足に幻惑されそうです(^ ^;
マジに調子に乗っております(>▲<)
投稿 yufuki | 2008年4月12日 (土) 23時56分
通りすがりさん
コメント、感謝です。
>今夜この釜飯を食ししましたよ
いいタイミングの記事だったんですね。
初めていただきましたが、想像以上に美味しかったです。
評判にはちゃんと理由があるんですね。
投稿 yufuki | 2008年4月13日 (日) 00時00分
きょんちさん
「釜めし夫婦」も知りませんでしたがし、
「パンとあこがれ」も知りませんでした。
これが、S38-S33の差か・・・(笑)
「細腕繁盛記」は見てましたよ~
ゼニの花は清らかに白い
だが蕾は血がにじんだように赤く
その香は汗のにおいがした
(合ってるかな?)
冒頭のナレーションが印象的でした。
投稿 yufuki | 2008年4月13日 (日) 00時05分
こんにちは!
駅弁というと、なぜか美味しいですよね。
ご飯もおかずも冷たいのに。なぜか美味しい・・・。
新幹線に乗るとまずは駅弁と思ってしまう私です。
駅弁発祥のお話といい、温泉マークのお話といい、今日のブログ、とっても楽しかったです。
投稿 kazuo | 2008年4月13日 (日) 10時17分
kazuoさん
有難うございます。
私は熱も味のうちと思っているので、
正直、駅弁は苦手であまり買いません。
しかし、この釜めしで認識が変わるぐらい旨かったです。
食べてみるもんだな~と思いました。
投稿 yufuki | 2008年4月16日 (水) 08時21分