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2007年5月16日 (水)

西日本最大の港

私が末席を汚さしていただいているカメラサークルでは、
主催者の“天才”写真家、キット・タケナガ氏(以下、師匠)が発行しているメルマガ上にて、
師匠自らが会員の投稿作品を講評する月例講評会が行われています。
月毎のテーマが出され、そのテーマに沿った作品を会員が投稿するわけですが、
写真歴の浅い私は、毎月投稿を自らのノルマと課しており、
師匠の「酷評」にも凹まない鈍感者として、今月も懲りずにチャレンジしようと思っています。

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【貨物船】

今月のお題は「港」で、幸いな事に、瀬戸内海に面した岡山県は港の宝庫。
まずは行ってみようと港めぐりを開始、今月の7日には倉敷市にある水島港を訪ねてみました。

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【巡視船】

水島港は、高梁川の河口部に位置し、先日このブログで紹介した旧玉島港を中心とした“商港”玉島地区と、
水島コンビナートの海の玄関口、“工業港”水島地区との2地区からなっています。

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【水島コンビナート①】

水島港としての原型は、旧玉島港にあり、
寛文11年(1671)、備中松山藩主(現高梁市)・水谷勝宗によって開かれて以来、
江戸期を通じて北前船や高瀬船などで賑わう一大物流港湾として繁栄しました。
一方、本日ご紹介する“工業港”水島地区の歴史は新しく、
戦後、昭和30年代の高度成長期に、水島コンビナートと共に急速な発展を遂げました。

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【水島コンビナート②】

昭和16年(1941)の航空機工場の建設に始まった水島コンビナートは、
以降、埋め立てによる工業用地造成と航路や停泊地の浚渫工事などの港湾整備を重ねながら、
しだいにその規模を拡大、今では総工業用地2,456haの全国有数の臨海工業地帯に成長しました。
その間、昭和35年(1960)には、旧玉島港が水島港に併合されると同時に、
国交省(当時、運輸省)から重要港湾の指定を受け、
下って平成15年(2003)には、全国で23港しかない特定重要港湾に指定されました。

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【巡視船】

現在、水島コンビナートを形成する主な企業は、以下の通り。

三菱自動車工業㈱水島製作所 /三菱化学㈱水島事業所/三菱ガス化学㈱水島工場
JFEスチール㈱西日本製鉄所/新日本石油精製㈱水島製油所 /㈱ジャパンエナジー水島製油所
㈱クラレ倉敷事業所/旭化成ケミカルズ㈱水島製造所/中国電力㈱水島発電所/中国電力㈱玉島発電所  等々。

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【釣り人】

これら、日本を代表する企業・工場群を背景に持つ水島港の港湾取扱貨物量は、平成16年(2005)現在で1億0,449万t。
全国の港湾の中では、堂々の4番目に当たる実績です。
ちなみに1位が千葉港で1億8,229万t、2位が名古屋港で1億6,925万t、3位が横浜港で1億2,960万tでした。
5位以下は、苫小牧港・北九州港・川崎港・大阪港・東京港・神戸港と続き、
港湾取扱貨物量だけで見れば、北九州港や大阪港、神戸港を押さえ、西日本No.1の港ということになります。

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【化粧直し】

このように、日本の産業の中心を支えてきた水島港&水島コンビナートですが、
その急速な発展の途上で、地元経済に眩い光をもたらした反面、
一方では、市民の生活に「公害」という大きな影を落としました。

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【点検作業】

水島コンビナートが本格稼働した昭和47年(1965)ごろから、呼吸器障害を訴える住民が増加。
昭和58年(1983)、患者と遺族は、主要企業8社を相手取り、
損害賠償と大気汚染物質排出差し止めを求める裁判を起こしました。
「倉敷公害訴訟」と呼ばれるこの裁判は、平成8年(1996)12月に和解、
被告企業は解決金約14億円の支払いなどに同意しました。
水島地域環境再生財団によると、認定患者は3,835人、うち1,571人が亡くなられています。

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【しばし休憩】

最近、このブログにおいては、自然の風景や歴史的建造物を取り上げる機会が多く、
今回のように海を除いては、近代以降の人工物ばかりの撮影というのは久しぶりです。
普段のブラブラとお散歩撮影は、自然の風景であれば、素直な気持ちで楽しみながら、
改めてその偉大さに感動を覚え、
歴史的な建造物であれば、知的好奇心と先人の営みにたいする敬意と感謝の気持ちが沸いてきます。

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【水島コンビナート③】

しかし、この日、水島港の風景を撮りながら浮かんできた言葉は、
繁栄、成長、挑戦、努力、誇り、傲慢、衰退、破壊、儚さ、愚かさなどなど。
複雑な感情が同時に沸き起こり、思考の収集がつかない中、帰路につく事となりました。

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コメント

Hello, Your site is great. Regards, Valintino Guxxi

投稿: | 2007年5月19日 (土) 13時37分

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