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2007年3月11日 (日)

日生の島々

瀬戸内海に面した岡山県には、大小合わせて86の島があり、
香川県に属する島々と併せて、備讃瀬戸の美しい景観を創り出しています。
本日紹介する日生(ひなせ)諸島は、岡山県東端の備前市に属し、
県下最大の島である鹿久居島(かくいじま)をはじめ、
鶴島(つるしま)・大多府島(おおたぶじま)・頭島(かしらじま)
鴻島(こうじま)・曽島(そしま)の6島と、その他の小さな島々で構成されています。

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【日生諸島:鹿久居島】

諸島の総人口は648人で、そのうちの大半が頭島(451人)と大多府島(142人)に集中しています。
昨年の8月に、日生諸島の本土側対岸にあたる日生漁港の「五味の市」を訪れた際に、
有人の島には定期船が出ている事を知り、一度ゆっくり島巡りをしたいと思っていました。

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【頭島と鹿久居島を結ぶ頭島大橋】

しかし、定期船のダイヤを見ると、全部の島を観て廻るには、日帰りでは難しそう。
かといって、連休を待っていると何時の事になるかわからないので、
先日の休みの日に、どの島に渡るかを決めず、とりあえず出かけてみました。

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【日生諸島を結ぶ定期船】

定期船の乗り場で、切符売場のおじさんに見所を尋ねてみたところ、
のんびり散策するには大多府島が1番という事なので、ここで行き先が決定しました。

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【定期船】

定期船に乗り込むと、地元の人に混じって、私と同じような散策組が数人おられ、
この季節に、これといった観光資源の無い島に渡る人がいる事にビックリしました。
家族は、知らない土地をぶらぶら歩いて何が楽しいの!?と、私を変人扱いしますが、
世の中には、同好の志が結構いるもんだと自信がつきました。

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【定期船で談笑】

日生港から大多府島までは、途中、頭島と鴻島を経由して約40分。
この日は気温が低く、霞んだような曇り空でしたが、
その間は甲板席から日生の島々を眺めて過ごしました。
どの島も白っぽい石英粗面岩から成っており、
沿岸部の殆どが斜面が海から突き出た様な急峻な地形になっています。
時折、大きな洞窟なども見られ、粗い岩肌と海面が織り成す景観は見ていて飽きないものでした。

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【鴻島の洞窟】

大多府島は周囲5kmの日生諸島最南端の島で、江戸時代には池田藩の番所が置かれていました。
南岸は奇岩に富んだ地形で、海岸線に沿って「自然研究路」と名づけられた遊歩道が整備されており、
切符売場のおじさんが言っていたように、ぶらり散策には丁度いい道でした。

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【大多府島からの眺望】

「自然研究路」の途中には、灯台「燈篭堂」があります。
正徳4年(1714)、藩主池田綱政により建立され、以降明治初年までの150年間、
日生の海の標となってきました。
現在の建物は、昭和61(1986)に元の石組みの上に復元されたものです。

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【燈篭堂】

北岸にある大多府港は元禄11年(1698)に開かれた古い港で、当時の防波堤が今も残っています。
普通の石組みの堤防なので、敢えて写真は撮りませんでしたが、
この防波堤になんとも怖い言い伝えがある事を、帰ってきてから知りました。
港が建設された当時、工事中に防波堤の石組みが何度も波に流され、やり直しが続くので、
子供を2人、堤防の中に埋めて人柱としたというような・・・。
伝説が事実かどうかはわかりませんが、この堤防の別名は「夜泣き波止め」と言うそうです。

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【小豆島に向かうフェリー】

大多府島でのんびり過ごした後は、再び定期船で本土側に戻り、
日生漁港の「五味の市」を覗いてみました。
今の時期はまだ牡蠣一色。

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【五味の市の牡蠣】

時間が遅かった事もあり、売り尽くすために叩き売りに近い状態でした。
写真のタルいっぱいの牡蠣も、値札は4000円ですが、叩き売り掛け声価格は2000円でした。

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【五味の市の牡蠣】

あまり知られていませんが、岡山県の牡蠣出荷量は、広島県・宮城県についで全国第3位を誇ります。
その中にあって、日生漁港は岡山県NO.1の取扱高。
日生諸島の主な産業も漁業で、島々の合間に作られた筏(いかだ)から水揚げされた牡蠣が、
日生漁港に運ばれ出荷されてゆきます。

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【牡蠣の殻の掃除】

日生漁港を後にして岡山市内に帰る途中、夕立受山(ゆうだちうけやま)にも立ち寄ってみました。
変わった名前の山ですが、由来は、その昔、山頂で乾田降雨の祈りをこめて千貫焚きを行うと、
必ず夕立があったという伝説から来ています。

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【夕立受山頂から見た日生諸島】

この日はあいにくの空模様でしたが、山頂から眺める備前日生の海は絶景の一語。
ゆったりと穏やかな瀬戸内海に、点々と浮かぶ島々。

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【片上大橋と片上湾】

その合間に沢山の牡蠣筏が設えられ、時折小船が行き交う様は、
自然と人々の暮らしが一体となった、本当に素晴らしい光景でした。

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コメント

ブロッグのページでは初めてのコメントでしょうか。
GREEでしましたがこちらでも。
素敵な案内ガイドに大満足です。
これを拝見するとまたすぐに次が待ち遠しくなります。

投稿: いぶき | 2007年3月12日 (月) 06時22分

いぶきさん
コメント有り難うございます。

>これを拝見するとまたすぐに次が待ち遠しくなります。

 何と言う有り難いお言葉!
 ここのところ、頻度が良くないですが、
 また、アップしますのでよろしくお願いします。

投稿: yufuki | 2007年3月12日 (月) 18時10分

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