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2007年1月11日 (木)

浪速の神様

年末年始も仕事に追われ、バタバタと過ごしているうちに、
早いもので、正月ももう十日以上過ぎてしまい、今日が今年の「更新初め」です。

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やっとこ休みを取り、帰阪した際に今宮戎神社にお参りに行ってきました。
大阪人は「十日戎」の祭礼を、親しみを込めて「えべっさん」と呼び、商売繁盛の神様として篤く信仰しています。
大阪市内には、今宮戎神社と堀川戎神社の2社が祀られていますが、
「十日戎」の祭礼としては今宮戎神社の方が祭礼が華やかで、
宵えびす(9日)、本えびす(10日)、残りえびす(11日)の3日間に約100万人の参詣者が訪れるそうです。
私が今年訪れたのは、9日の宵えびすです。

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今宮戎神社は大阪市内のど真ん中に鎮座し、
JR環状線新今宮駅から徒歩8分、南海電鉄今宮戎駅からは徒歩5分と、
電車で行くには非常に便利な立地にあり、
到着はお昼前でしたが、すでに沢山の人で賑わっていました。

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創建は推古8年(600)にまで遡り、聖徳太子が四天王寺を建立された時、
同寺の西方守護神としてお祀りされたのが始めと伝えられています。
「戎大神」は、左脇に鯛、右手に釣竿を持った姿で知られているように、
元々は海から幸をもたらす漁業の守り神。
漁業の神様が大阪の街の発展とともに、商売の神様として祀られるようになりました。

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浪速区今宮一帯は、かつては海に面した漁村で、
今宮戎神社も平安中期より、南北朝の戦乱の時期に一時中断はあるものの、
継続して宮中に鮮魚を献進しており、これが明治初年まで続いたと伝えられています。
海運の便利な沿岸部では、海産物と里の産物とを物々交換する「市」が開かれるようになります。
この地でも、平安後期には四天王寺の西門に「浜の市」が開かれるようになり、
その「市」の守り神として、今宮戎神社の「戎大神」が祀られるようになります。
「市」の隆盛が商業の発達につながり、「戎大神」はいつしか福徳を授ける神、
商業の繁栄を祈念する神様として信仰されるようになりました。
室町時代以降庶民の信仰はますます厚くなり、また商売の世界では大阪町人の活躍が始まります。
江戸期になると、大阪は商業の町としてより一層の繁栄を遂げ、「天下の台所」と称されるほどの隆盛をみせ、
それとともに、今宮戎神社は広く大阪の商業の護り神として信仰を集めるようになってゆきました。

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兵庫県西宮市にある西宮戎神社は、開門と同時に境内を走り抜ける「福男」が有名ですが、
今宮戎神社は、公募で選ばれた美しい「福娘」さん達で全国的に有名。

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毎年3,000人以上の応募の中から、「健康で笑顔の美しい女性」40名が当年の福娘として選ばれます。
福娘から、後に芸能界入りを果たしたり、就職でアナウンサーに採用されたりする例も少なくありません。
今宮戎の福娘OGは、藤原紀香さん(タレント)、福元英恵さん(元フジTV)、進藤晶子さん(元TVS)、
角田華子さん(フジ「めざましTV」初代お天気キャスター)など。

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また、TVの世界や芸能界に進まずとも、「福娘」の看板は関西では縁談に有利と言われています。
神事に関する事なので、「ミス」や「グランプリ」などの名称はつけられず「代表」という名で表彰しています。

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「年の初めのえべっさん~商売繁盛で笹もって来い♪」
これは、「十日戎」にはつき物の囃子言葉。
境内では、絶えずに賑やかにこのお囃子が流れ、福笹が拝殿前で配られます。
その笹につける吉兆が、境内のあちこち、参道のあちこちで売られています。
境内で売られている吉兆は授かるもの。
したがって値切ってはいけません。(定価表示がされています)

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しかし、参道の屋台では定価はありません。
丁々発止の駆け引きで、吉兆を安く買うのも大阪人のたしなみ。
ここで値切らなければ、「えべっさん」の福が逃げてしまいます。
屋台の場所にもよりますが、最初の言い値の半額くらいにはなります。
商売はまず安く買う事(仕入れる)から始まります。
面倒な値引き交渉が成功するか否かが、今年の商売の行方を左右するかもしれません。

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この福笹は一年間家の中にお飾りし、翌年の十日戎に返納。
そして、また新たな福笹を授かって帰ります。

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福飾りの屋台の混じって、どて焼き(牛筋煮込み)や焼き鳥、サザエのつぼ焼きなど、
おいしそうな匂いの、様々な飲食屋台が軒を並べています。

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お参りの後、ちょっと一杯。
これが楽しみでやって来る人も、多いように思われます。

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今宮戎神社の「十日戎」は不思議なお祭りです。
霊験あらたかな雰囲気も厳かな雰囲気はなく、きわめて雑然と賑やか。
そんな「えべっさん」は、大阪で一番親近感のある神様。

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それでも毎年、御利益があると信じて沢山の人々がお参りにやってきます。
何万人もの福を求めてやってきた人たちの中で、
普段は最も苦手とする人ごみも、苦にはなりませんでした。
来年もこの時期が来れば、「商売繁盛で笹もって来い♪」が聞きたくなるに違いありません。

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コメント

こんにちは~(^ ^)/
ちと御無沙汰してしまいました。
今更ですが本年も宜しくお願い致します。

大阪の「えべっさん」堪能させて頂きました。
私も人込みが大の苦手でして、地元の誰も居ない氏神様に初詣しました。
二月の旧正月に川崎大師へ行くのが我が家の通例になっています。
にしても流石大阪、屋台も値切るのが当たり前なんですか? 関東圏ではありえないなぁ~(^ ^;

おねいさん達の笑顔いいですねぇー !! こんな処から芸能界デビューの道が開けていたとは驚きました。
コンテストなんかの登龍門と同様とすれば半公人扱いでも良いのかな・・・・
人物撮影には肖像権の問題が付きまとうのでちと心配・・・

投稿: tsuduura | 2007年1月15日 (月) 13時11分

tsuduuraさん
コメント有り難うございます。
大阪のえべっさん楽しんでいただけましたか?
ゴチャゴチャと賑やかなのが、大阪流のお参り。
皆さん、凄くハイテンションです。
おねいさん方も、愛想がよく、
「一枚エエか~?」で笑ってくれます。

一応「これブログッ!!OK?」の声がけはしています。

投稿: yufuki | 2007年1月15日 (月) 20時32分

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