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2006年11月12日 (日)

天下の奇勝

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先日、この日記に書いた井山宝福寺から約10km北上すると、

総社市と吉備中央町(旧賀陽町)にまたがる「豪渓」という景勝地が広がっています。

ここは、岡山3大河川の1つ、高梁川の支流に当たる槙谷川の上流地域にあたり、

水平、垂直の節理に富んだ花崗岩の断崖や、長年の侵食による塔状岩塊は他に類を見ない程の規模で、

大正12年(1923)には国から名勝の指定を受けています。

奇岩・奇鋒と清流、そして、季節の移ろいとともに変化する木々が姿が織り成す渓谷美は、

神秘的な芸術作品とも言われており、一年を通じて沢山の観光客でにぎわっています。

この日は朝から好天で、名に聞こえる奇岩群と紅葉、清流のハーモニーを写真に収めようと、

いそいそとカメラを片手に出かけました。

「名勝豪渓」の看板のある駐車場に車を止め、渓流に沿って1kmほど歩くと、

見返り橋という橋があり、そのたもとで先客数人が立ち止まっているのが見えました。

どうしたのかと思いながら近づいてみると、なんと大きな落石があったため、

橋から向こうは通行止めになっており、、大小の岩石、石塊がゴロゴロと対岸の道を塞いでいました。

大きなもので径1mを超えており、人を直撃していたらと思うと恐ろしくなりました。

幸いにも、落石の可能性を予見して道路を事前に通行規制していたため、

この時の事故では、人的被害はなかったそうです。

落石は恐ろしいですが、この橋の向こう側にある遊歩道を登れば、

断崖の上に作られた見晴らし小屋に行くことが出来るはず。

そこから見下ろすアングルが1番の狙いどころだと、知人から聞いて来たのでがっかりでした。

しかし、落石事故があったのはもう数年も前のことらしく、

事前に調べればすぐに分かったはずで、悪いのは場当たり的な自分の行動。

しかたなく、しばらくは遠景の写真を撮りましたが、紅葉の度合いもまだ期待した程ではなく、

また、崩落防止の為の接着工事用の足場が殆どの奇岩に組まれていたため、

思うようには撮影が出来ず、早々に引き上げてきました。

しかし後から考えれば、造形美を見せる奇岩はすべて落石予備軍。

それをすべて接着工事でくっつけてしまうのは如何なものかと思いました。

地形は年を経るごとに変化してゆくものであり、奇岩美は崩れ落ちる前の刹那の美しさとも言えます。

美しい姿も自然なら、崩落もまた自然。

足場を組んで岩石を接着するのも、危険防止の観点からはある程度必要だとは思いますが、

豪渓自体が人工の景観となってしまうような気がしてなりません。

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