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2006年11月 9日 (木)

画聖の出発点

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岡山県総社市には、紅葉の名所として県内では広く知られている、

臨済宗東福寺派の中本山、井山宝福寺があります。

このお寺は、もともとは天台宗の古刹でしたが、

貞永元年(1232)、近在の真壁郷出身の名僧鈍庵(どんあん)和尚が、

この地に伽藍を建立し臨済宗に改めたと伝えられています。

盛時には塔頭、学院55、山外の末寺300余を有したと伝えられ、

現在も、山門・仏殿・方丈・庫裡・禅堂・鐘楼・経蔵などの七堂伽藍を有する、

地方では珍しい巨刹といわれています。

また、見事な紅葉とともに、井山宝福寺の名を知らしめているのが、画聖雪舟との深いかかわりです。

水墨画の巨匠雪舟は、応永27年(1420)備中赤浜(現岡山県総社市赤浜)に生まれました。

幼くしてこの井山宝福寺へ修行に入り、その後、京都の相国寺へ入りました。

当時、相国寺には、日本の水墨画を代表する周文がおり、

その薫陶を直接受けて、 天賦の才能を開花させた雪舟は、

書の余技であった水墨山水画を、芸術の域にまで高めました。

井山宝福寺には、小僧時代の雪舟が、住職に叱られ、方丈の柱に縛りつけられた際に、

涙で鼠の絵を描いたという逸話が残されています。

しかし、残念ながら、雪舟が縛られた方丈は、天正3年(1575)の備中の兵乱の際に焼失し、

その後、二度にわたって復興したものが現在の方丈です。

その方丈の前には、そのときの様子を模した(?)、なんだか地味な石像があります。

今日の写真はというと、国の重要文化財に指定されている三重塔です。

この三重塔は、弘長2年(1262)執権北条時頼が寄進して建立したといわれていましたが、

昭和42年に行われた解体修理の際、永和2年(1376)の墨書銘が発見され、

南北朝時代の建築であることが確認されました。

塔の方は3間、総高18.47メートルの本瓦葺で、鮮やかな丹塗りが施されています。

軒の出が深く、軒先の反転はすっきりしており、各重の逓減割合も美しく、

室町時代初期の寺院建築の風格を今に伝えています。

この日、紅葉の方はまだ色づき始たばかりで、見頃には1週間~10日ほど早かったようですが、

秋のやわらかい陽射しの中で、禅宗寺院特有の静寂かつ清浄な雰囲気を堪能することができました。

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コメント

はじめまして。
GREEの足跡を辿ってきました。
社寺仏閣めぐりに興味がありつつも実現しておりません。
身近なところへは彫刻を眺めたり、建築の納まりを眺めたりしている程度でございます。
カメラは最近では、デジタルからフィルムに戻り、モノクロを現像したりと楽しんでいます。では・・・
貴殿より数日遅れでこの世に誕生した【はむ】でした。。

投稿: はむ | 2006年11月12日 (日) 11時01分

【はむ】さん
コメント有り難うございます。
当方も神社仏閣めぐりを、体系づけてやってみたいと思っているのですが、どうも考えるのが苦手。
行き当たりばったりで、下手な写真を撮り歩いています。
また、人生の数日先輩の拙いブログ、暇なときにでも覗いてやってください。


投稿: yufuki | 2006年11月13日 (月) 18時10分

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