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2006年5月 3日 (水)

八重山吹

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山吹の園芸種で「八重山吹」と呼ばれる品種は、

一重の山吹と違いオシベ、メシベとも退化してしまっているので実がならないそうです。

こんなに美しい花を咲かせても、実がならないと聞けばなんだか悲しげに見えてしまいます。

この「実がならない」事と「蓑すらない」ほどの貧しさを掛詞とした有名な故事があります。

にわか雨に遭った武将の太田道灌が、農家に雨宿りして蓑を拝貸したいと言ったところ、

その家の娘が差し出したのは、実のならない八重山吹の花でした。

その意味をその場で理解できなかった道灌は、不機嫌になってしまいました。

貸し出す「蓑すらない」、そんな現実を娘は失礼の無いようにと、

「七重八重 花は咲けども山吹の みの一つだに なきぞかなしき」(後拾遺和歌集 兼明親王)という

古歌になぞらえ、それとなく伝えようとしたのです。

後に込められた意味を知った道灌は、自分の無学を恥じて歌道に励むようになり、

歌人としても有名になったそうです。

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コメント

写真の山吹が、そっと差し出されたものの様で、文章とぴったりですね。
山吹の話は、文字では見たことありましたが、視覚と初めて結びついてもらえた気がします。

投稿: 純之助 | 2006年5月 4日 (木) 12時04分

確か、高校の古典の時間で教わりました。
その当時は、なんとも思いませんでしたが、
年をとると、娘の悲しくもゆかしい気持を
察したりしてしまいます。

投稿: yufuki | 2006年5月 4日 (木) 22時09分

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